北大西洋条約機構(NATO)首脳会議が9日、米ワシントンで始まった。ロシアの侵攻を受けるウクライナの加盟に向けた道筋や、長期的な支援のあり方が焦点だ。バイデン米大統領は高齢への不安が顕在化し、11月の大統領選次第では、NATOに批判的なトランプ前大統領が復権する。NATOの今後やウクライナの命運がかかった節目の会議となる。
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旧ソ連に対抗する軍事同盟として生まれたNATOは創設75周年を迎えた。バイデン氏は9日の演説で「ウクライナは(ロシアの)プーチン(大統領)を止められるし、止めるだろう」と訴えた。
演説した会場のアンドリュー・W・メロン講堂は、1949年のNATO設立時に当時のトルーマン大統領が条約に署名した場所だ。バイデン氏の発言はNATO域外のウクライナも見捨てない、との意思表示だ。米政権は9日、ドイツなどNATO加盟国とともに、地対空ミサイル「パトリオット」を含む戦略的防空システム5基をウクライナに提供する方針も発表した。ただ、情勢は楽観できない。
NATOの核心は、加盟国へ…